臼井雅美研究室

……思えば20年位前に、東京音楽大学のピアノ科で勉強していた私は、ひたすら ピアノで美しい響きや、自分が真にこれだ、と思える音楽を探していた。

私は、決して器用にこなせるタイプの人間ではなく、やると決めた曲は、冒頭部分の一フレーズが、納得のいく音楽になるまで一ヶ月位模索する、という練習の仕方だった。 何故なら、曲の始めには、曲全体に流れている全ての要素が凝縮されており、始めが出来れば全てに応用できる、と考えていたからである。 一曲が自分の中で、少しずつ形になったと感じられるまでに数ヶ月かかり、その間、大学のピアノのレッスンには行けなかった。

もしも、途中でレッスンに行ったら、とにかく形にして暗譜して弾けることが何より望まれる大学のピアノの教授からの厳しい言葉に挫けることを知っていたから…… 大学の四年生の4月に、丸山桂介先生の音楽学の授業を初めて受けたとき、私は、世界が変わったと思うくらい驚いた。 先生は、授業が始まると直ぐに、「皆さん、この世の90%の演奏はでたらめです。」と仰った。 授業中、誰かがおしゃべりをしていると、容赦なく怒鳴り声が響いた。

「出ていけー‼」

……生徒は泣きべそをかいて教室を出る。 そのようにして数ヶ月後、50人程いた先生のクラスはほんの10人程しか残らなくなり、そこから、先生の授業は更に面白くなっていったのである。

テンポや音律を、他の先生方がされるような、どこかの教科書を読めば分かるような授業ではなく、もっと形而上学的に、そして古代ローマ、古代ギリシアの世界からの観点でそれらを眺めるような展開になってゆくのである。

今、私が、古楽器チェンバロやクラヴィコードを専門にして研究している原点は、そうした丸山先生の授業の中にあったのかも知れない。

こうして私に開かれた古楽、特にバロック時代の音楽探求の扉は、様々な音楽家やダンサーとの出逢いをもたらした。

ドイツでの留学中に、また日本に帰国してからも、一人の素晴らしい芸術家との出逢いはまた、新たな方との出逢いを与え、私に音楽的知識と経験というかけがえのない財産を運んで下さった。

この「バッハの学校」のホームページにおいての私の研究室では、私が今までヨーロッパの芸術家の方々に教えていただき、また、私自身が探索した音楽の、様々な視点から捉えた研究の成果を提示してゆきたいと思っております。

(記.臼井)

研究
バロックダンスの部屋

 

― バロックのダンスと演奏 ―

― 舞踏譜について ―

― 演技例 ―

バッハを弾く - バロック運指法 歴史と実践 -

 

ここでは、丸山桂介氏著書『バッハ「聖なるもの」の創造』(春秋社/2011)の中で臼井雅美が執筆した「バッハを弾く - バロック運指法 歴史と実践 -」を再掲しています。同書付録のCDの演奏も一部聴くことができます。

演奏の部屋

 

ドイツのチェンバロマイスター、クリスチャン・フックスが製作した楽器、1624年リュッカースモデルのコピーのチェンバロと1787年フーベルトモデルのコピーのクラヴィコードによる演奏

シューベルト論文と演奏

 

シューベルトの音楽観と演奏論

1999年5月 東京音楽大学 公開ゼミナール「音楽のことば」

東京音楽大学Jスタジオにて

エッセイ

大学在学中や、その後、ヨーロッパ各地で様々な音楽家やダンサーとの出逢いの中での、古楽やバロックダンスに関するエピソードを不定期に連載して行きます。

レッスン

チェンバロ、クラヴィコード、ピアノ、またはバロックダンスの基礎のステップのレッスンをお受けいたします。組曲、特に舞曲(メヌエット、ガヴォット、ブーレ、サラバンド、ジーグ)の解釈とテンポ、フレーズとアーティキュレーションの捉え方について、バロックダンスのステップから詳しくレッスンします。

 

masami22358(at)gmail.com

 

までお知らせ下さい(上記アドレスの(at)を@に変えてからメール願います)。